頭・顔・くびの症状
頭・顔・くびの症状
めまいは自分や周囲が動いていないのに動いているように感じる感覚です。その原因は耳の病気(内耳性めまい)のことが多いですが、脳(中枢性めまい)や心臓など原因は多岐にわたります。めまいの診療は問診や身体診察後に聴力検査、 眼振検査や重心動揺検査を行って診断します。長期的にめまいを自覚されている場合にはMRI検査による精査を進めさせていただいております。治療は薬物療法、頭位治療などを行います。めまいの症状の強い時期には安静が第一となりますが、 めまい症が落ち着いたら積極的に頭や体を動かすことが早期の改善につながります。内耳に作用する「寝返り運動」や小脳を鍛える「頭を動かす運動」や「歩行運動」が効果的なこともあります。めまいの予防には規則正しい生活が大事です。当院での治療でも難しい場合や病院での精査を必要とした場合には受診のご提案をさせていただくことがあります。
顔面神経麻痺は片側のことが多いですが、顔面に違和感やまぶたが閉じづらい、水を飲むと口から漏れてしまうことなどの症状があります。顔面神経麻痺には末梢性と中枢性があります。はっきりした原因がなく顔面神経麻痺だけが生じるBell麻痺(ベル麻痺)や耳の周囲に水疱(帯状疱疹)が見られ、他の神経麻痺がおこるハント症候群があります。いずれも早期にステロイド治療や抗ウイルス薬などの治療が望ましいです。
顔の半分が、自分の意思とは関係なくピクピク動くことを顔面けいれんと呼びます。一般には眼のまわりから始まり口の周りやほほに広がり、緊張した時などに起こりやすくなります。このけいれんは、頭の深部で血管が顔面神経を圧迫することにより起こるため、その血管を移動して圧迫を取り除く手術(ジャネッタの手術)が行われたり、ボツリヌス菌の毒素を顔の筋肉に注射して、一定期間けいれんを抑える方法もあります。
また顔がピクピクする原因には、顔面神経麻痺の治癒過程時に、本来とは異なる神経同士がつながってしまい、顔のどこかを動かす時に他の場所が一緒に動いてしまう病的共同運動があります。お子さんの場合には、突発的かつ無意識に顔の一部を動かすチック症の可能性も考えられます。一時的に疲れや肩こりで起こる場合もあります。
くびの腫れものは発症急に腫れてきたか、いつのまにか段々大きくなってきたか、一つか二つ以上か、場所はくびのどのあたりかなどで病気はそれぞれ異なります。異常ではないものには、頸動脈や顎下線、頸椎の突起を触れていることがあります。痩せたことで触れやすくなったものです。炎症によりくびがはれた場合には経過が急で、痛みや発熱をともなうことが多く、抗菌薬などで改善しますが、急速に悪化し、入院治療を要することもあります。
腫瘍の場合、多くは徐々に大きくなります。良性であれば摘出手術が最適ですが、悪性の場合には、治療法や予後が異なるので、まず診断を確定することが大事です。