[PM2．5，黄砂とは？]

〇PM2.5：大気汚染物質の中の粒径2．5μm以下の大気に浮遊するものを浮遊粒子状物質（suspended PM：SPM）

〇黄砂：中国大陸内部の砂漠から偏西風によってから運ばれてくる小さな砂やチリのことで、粒径は4μm前後で二酸化ケイ素が主成分である。

　　　浮遊している過程で微生物のリポポリサッカライド （lipopolysaccharide：LPS）やβ一glucanが付着し、大気汚染域を通過すると硫黄酸化物や窒素酸化物、PM2．5などが付着する。

[PM2．5や黄砂とアレルギーとの報告]

〇PM2．5や黄砂が偏西風に乗って日本に飛来し，花粉症の症状の増悪させると考えられている。1)

〇黄砂飛来期の喘息患者では下気道症状の増悪を認め，特にアレルギー性鼻炎やアトピー性アレルギー疾患を合併している患者で増悪しやすい。2)

〇黄砂はスギ花粉のシーズン中における鼻および眼のアレルギー症状に影響を及ぼさなく、スギ花粉シーズン前は鼻症状(くしゃみや鼻水)、スギ花粉シーズン後は眼症状が増悪する。3)

〇黄砂飛来時の降水は花粉がアレルゲンの放出や微細化され、汚染物質と結合し症状の増悪と翌日以降に乾燥しアレルゲンの再飛散し症状の増悪が起こるとされている。4)

[治療と予防]

〇花粉症を含むアレルギー性鼻炎と同様に抗原回避や抗アレルギー薬の使用

 

1) 増野 聡. 鼻アレルギーフロンティア 2015

2) Watanabe M, et al. Allergol Int 2011

3) Ogi K, et al. ANL 2014

4) 王 青躍ら Earozoru Kenkyu 2014